
血液と結びつくことがよくある鉄ですが、鉄不足の人が積極的に摂りたい野菜には何があるか知っていますか?オススメレシピと一緒に、気になる銅の含有量を野菜を中心にリサーチしました!
鉄を多く含む食品(野菜)と含有量
鉄と言えばやはりレバーに含まれているというイメージが一般的ですが、魚介類にもけっこう含まれていますし、野菜にも含有されています。鉄分の含有量が多い野菜をいくつかご紹介しましょう。
まずパセリですが、7.5mg含まれています。とうがらしには6.8mgです。つまみ菜には3.3mgほど、枝豆には2.5mg、サラダ菜には2.4mg小松菜やソラマメには2.1mg、水菜には2.0mg。
サニーレタスやグリーンピースには1.8mg、しそは1.7mg、フレッシュバジルは1.5mg、春菊には1.2mg、クレソンには1.1mg、明日葉やモロヘイヤには1mg、ホウレンソウには0.9mgほど含まれています。
鉄を補うために理想の食べ方は?
鉄は赤血球を作るのに必要な栄養素です。鉄分はどれくらい摂取したらいいのでしょうか?推奨されている摂取量をおおまかにお伝えします。
まず成人男性の場合ですが、10代と20代、70代以上の場合はだいたい7mgくらいを摂取するようにしましょう。30代から60代であれば7~8mgが目安です。
女性の場合は月経の有無によって変わってきます。月経がある場合は10.5mgほどです。
ない場合は10代と20代と70代以降が6mgくらいで、30代から60代が6~7mgくらいとなっています。だいたいの栄養素は男性の方が推奨される摂取量が多いですが、やはり鉄は月経に応じて女性のほうが摂取量が増す場合があるのが特徴的です。
ちなみに男性の場合は50mgほど、女性の場合は40mgほどを摂取のボーダーラインとしましょう。サプリなどであまり摂りすぎると鉄が不用意に内臓に付着してしまう可能性があります。
鉄を摂取するのにおすすめのレシピ
鉄を手っとり早く摂るには豚レバー(含有量は13.0mg)や鶏レバー(含有量は9.0mg)などがオススメですが、さっぱり仕上げるために豚レバーと青野菜を使ったレシピを一つだけご紹介します。
含有量の多いパセリと鶏レバーを使った簡単炒め物です。下準備ですが、レバーをあまり細かくならない程度に薄く切っておきます。またパセリは茎だけ取っておきましょう。まずにんにくを炒めて香りを出し、そこにレバーを入れて色がつくまで炒めます。
そこに大さじ2杯ほどの白ワインを入れます。代用で日本酒を使うのもアリです。パセリを入れて最後に塩コショウで味を整えましょう。さっぱり感を出したければレモン汁を少々入れてもOKです。
鉄欠乏性貧血の女性が増加
人間の体内には約4g(4,000mg)の鉄が存在しています。その2/3は血液中に、残りは肝臓や脾臓に蓄えられ、一部は皮膚や粘膜の組織内にあります。
体内の鉄が不足すると血液中の鉄はそのままに、蓄えられた鉄から使われていきます。この状態の貧血予備軍の女性は4人に1人(25%)いるといわれているのです。
なぜ貧血になるのか?
貧血の原因は鉄不足です。そもそも貧血とは、赤血球か、鉄を主な材料とするヘモグロビンが少なくなってしまって、体内が酸素不足になった状態のことなんです。
赤血球は血液中の酸素を運ぶ役割があり、ヘモグロビンは赤血球内で酸素と結合します。この数が少なくて酸欠をおこしてしまっている状態なんですね。
鉄不足になってしまう原因はいろいろあります。月経や無理なダイエット、偏食など、女性なら経験することばかりですよね。
貧血の症状
脳の貧血の症状は、脳の酸欠によっておこりますので、立ちくらみやめまい、頭痛などがあり、ひどい場合は失神したり倒れたりします。
筋肉の貧血の症状は、身体のだるさや疲れやすさです。熱やエネルギーが作りづらくなったり、老廃物が流れにくくなってしまいますのでこのような症状が出ます。
心臓の貧血の症状は、動悸・息切れなどです。血液中の酸素を運ぶ量が少ないので、酸素不足をカバーするため、心臓が血液をもっと多く送ろうとしておこります。
隠れ貧血に注意!
頭が重い・むくむ・肩がこる・手足の冷え・のどが詰まったような感じがするといった症状はありませんか?それは隠れ貧血かも知れません。
これらの症状は、ストレスや生活習慣の問題と片づけてしまいそうなものばかりです。また、自律神経や女性ホルモンの関係からも似たような症状になる場合があるので気づかないうちに貧血になっていた!なんてこともあります。
隠れ貧血とは?
隠れ貧血とは、別名『滞在性鉄欠乏症』ともいわれます。隠れ貧血は4人に1人という貧血予備軍に多い症状なんです。
滞在性鉄欠乏症は、鉄が不足していても通常の血液検査で「異常なし」となってしまうので見落とされやすいのが特徴です。では、なぜ見落とされてしまうのでしょうか?
隠れ貧血の原因
通常の血液検査に当てはまらない項目に原因があるので、見落とされがちなのが隠れ貧血です。
その原因とは、フェリチンというたんぱく質です。肝臓や脾臓、骨髄などにあるフェリチンは鉄を包み込んで蓄えて、血液中の鉄の量を調整します。このフェリチンが不足しても通常の血液検査の項目にはないので見落としてしまうんです。
血清フェリチンの基準値は、その測定法によって異なっていて、RIA法なら男性20~220ng/ml・女性10~85ng/ml、金コロイド凝集法なら男性40~100ng/ml・女性20~70ng/mlです。この数値を下回ると貧血、上回ると悪性腫瘍の疑いがあると判断されます。
貧血だけじゃない!鉄不足の症状
鉄は細胞を作るために必要な物質です。フェリチン不足からくる鉄不足は、新しい細胞を作れない状況ということになります。貧血になると肌荒れや爪が弱くなったりといった症状もあらわれます。
また、皮膚の細胞だけではなく、免疫細胞や神経伝達物質などの減少なども考えられますので、睡眠障害やうつ・慢性的な疲労感など、全身に大きな影響を与えてしまうのです。
フェリチン不足によって免疫細胞が減少すると風邪が長引いたりもします。たかが風邪ですが、なかなか治らないとつらいですよね。
鉄分を上手に補う
先述した野菜のほかにも、鉄を含む野菜はあります。100g中に含まれる鉄の量ですが、葉ネギ・コネギ1.0mg、とうもろこし・さやえんどう・にんにく各0.8mg。こちらにレバーや魚介類を足して鉄を摂取できるように工夫しましょう。
パセリは7.5gと、とくに鉄分を多く含む野菜ですので、「飾り」だけではなく食材として調理できるといいですね。
野菜の鉄は吸収されにくい?
意外と知られていないのですが、野菜に含まれる鉄は身体に吸収されにくので、摂り方に工夫が必要です。
鉄分は『ヘム鉄』と『非ヘム鉄』の2種類があって、ヘム鉄は肉や魚介などの動物性食品に含まれる鉄で、非ヘム鉄は野菜などの植物性食品に含まれる鉄です。
非ヘム鉄は、ヘム鉄よりも体内に吸収されにくい特徴があります。体内に吸収されやすくするためには、ちょっとしたコツが要るんです。
それは『ビタミンC』です。
非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると体内に吸収されやすくなります。ビタミンCを多く含む野菜や果物と一緒に摂ることをおすすめします。
ほうれん草や小松菜、ひじきには非ヘム鉄もビタミンCも多く含まれています。自分で青汁を作るときには、このような野菜を取り入れて飲むことで貧血を防ぐことができますし、生で飲む青汁で生きた酵素がとれるので、理想的な飲み物といえます。
また、コーヒー・緑茶・紅茶・牛乳・炭酸飲料などは、鉄分の吸収を阻害する働きがありますので避けるようにしてください。
サプリメントの注意点
鉄不足は全身に大きな影響を与えてしまいますが、過剰に摂りすぎても副作用があらわれてきます。鉄サプリメントで不足を補う場合は、必ず用法用量を守ってください。素人判断で過剰摂取しないように注意しましょう。
過剰摂取が続くと肝臓や脾臓などの内臓や皮膚に鉄が沈着して黒ずんでしまいます。また、活性酸素が発生しやすくなって、身体がだるく疲れやすいといった症状や老化につながったりします。
もしも服用して、吐き気や下痢、嘔吐などの症状が出たときはすぐに服用をやめて医師の診断を受けてください。臓器や血管にダメージを与える可能性もありますし、肝硬変や糖尿病などの原因になってしまう恐れもあります。
まとめ
鉄不足によって全身が酸素不足に陥ってしまうといろいろな症状が出てきます。日常生活に支障をきたすような症状もありますので、普段から鉄不足にならないような食生活を心がけましょう。
無理なダイエットや偏食はなるべく避けて、ヘム鉄と、非ヘム鉄・ビタミンCを一緒に摂ることが鉄不足解消の近道です。
また、サプリメントで鉄を補う場合は本当に不足しているときだけにしたいですね。鉄の過剰摂取は鉄不足と同じくらい危険です。素人判断は絶対にやめましょう。もしも過剰摂取して何らかの症状が出たらすぐに医師の診断を受けてください。