玄米のデトックス効果とデメリットを解説!正しいダイエットのやり方と注意ポイント

玄米

玄米でデトックス!ダイエット効果も期待できるの?


忘年会にお正月、新年会に歓送迎会…そんなイベントが続くと、体に悪い生活してるなーって不安になったり、なんか太ったかも…って焦っちゃうことありませんか?


 

玄米が体に良い』というのは、情報番組や雑誌・ネット記事なんかで、誰でも一度は耳にした事がありますよね。玄米は籾殻を取り除いただけで、糠や胚芽はそのままに、まだ精白されていないお米の事です。


 

日頃食べているお米が精白されていない…というだけなのですが、「体の中から綺麗になる」とか「ダイエット効果がある」とか、魅力的な内容ばかり。


 

もとは同じなのに、玄米だけにデトックス効果やダイエット効果があると言われているのは何故でしょうか?それは玄米を白くする過程で削られてしまっている部分に、良いものがたくさん入っているからなんです。

 

フィチンで血液サラサラ


フィチンというのは、糠や胚芽に多く含まれている成分で、血液の凝固を防いでくれる作用があるので、血栓が作られにくくなり、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを下げてくれます。血液が固まりにくい=サラサラ流れる…というわけです。


 

さらにフィチンには強い抗酸化作用があり、体の中で活性酸素が作られるのを抑えてくれるので、悪玉(LDL)コレステロールが活性酸素などで酸化されて出来る「酸化LDL」が作られにくくなります。


 

酸化LDLは血管壁を傷つけ、血管の壁に入りやすいので、動脈硬化の大きな原因とされている物質です。


 

また、増えすぎた活性酸素は細胞を傷つけ、老化や癌・その他多くの病気の原因になると言われていますので、健康で若々しくいるためにも活躍してくれる成分です。


以前は「玄米を食べるとフィチン酸(フィチンからマグネシウムやカルシウムが離れたもの)は体内のミネラルを排出してしまう」という意見があったようですが、玄米に含まれているのはフィチンである事と、実験などから問題はないことが証明されています

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食物繊維でダイエット


食物繊維は、便秘改善に効果がある成分としてお馴染みですよね。食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があって、便秘解消には不溶性2:水溶性1のバランスで摂る事が理想とされています。


 

生の玄米100gには、不溶性食物繊維2.3g・水溶性食物繊維0.7gが含まれていますので、少しだけ不溶性食物繊維が多いものの、かなり良いバランスで食物繊維を摂る事が出来ます。


 

ちなみに精白米100gでは、不溶性食物繊維0.3gに水溶性食物繊維0gとほどんど摂る事ができません。白くするためにかなりの食物繊維が捨てられてしまっているんですね…。


 

便は老廃物の塊ですから、長く体に溜まっていると腐敗が進んで毒素や有害なガスが発生し、腸内環境が悪化します。腸が働きにくくなると消化・吸収も滞り、代謝が低下してしまうので脂肪が蓄積しやすい体になってしまうのです。


 

便秘が酷い場合には、腸内に便が1~2kg溜まってしまうこともありますので、それを出すだけでも1~2kgのダイエットになっちゃいますね。腸のいらないモノを出す…まさに腸内デトックスです。


 

もう一つ水溶性食物繊維にはダイエットに良い働きがあります。水溶性食物繊維は体の中でゲル状になるのですが、それが腸内で余分な脂質や糖質を包み込んで体の外に出してくれるんです!


 

おまけに豊富な食物繊維は血糖値の急上昇を防いでくれますので、精白米より玄米の方が「GI値」が低くなります。GI値が低いということは、インシュリンの分泌が抑えられるということですので、糖が脂肪として蓄積されにくくなり、急激にお腹が空いてしまうのも防げます。


 

「玄米が体に良い」とか「ダイエット効果がある」と言われているのは、こういうちゃんとした理由があるからなんですね。

 

青汁玄米による7号食ってなに?強烈なデトックス効果が!


玄米でダイエットしてみようかな?とか、デトックス効果が気になるな…と思って情報収集している人は、『7号食』というのを目にした人もいるかもしれません。


 

知らない人から見たら「何それ?服のサイズを7号にする食事??」とか思っちゃうかもしれませんが、マクロビオティクスの創始者である桜沢如一氏が提唱した食事方法で、1号~7号まであります。


 

1号に近いほど幸福で健康な人生から遠ざかり、7号に近いほど「余計な物は食べない」というその食事とは、一体どんなものでしょうか?


7号食とは?

7号食とは、10日間玄米だけを食べる半断食の食事方法の事です。玄米は雑穀を混ぜたものや、寝かせ玄米にする方法もありますが、基本はその炊いた玄米に味付けはゴマ塩のみ。おかずも汁物もなし…という、食べる食事方法としては究極に削ぎ落された食事です。

 

飲み物はノンカフェイン・ノンカテキンのお茶か水で、もちろんお酒はNG!飴やガムも駄目です。どうしてもそれで辛くなった場合は、玄米甘酒と無添加の梅干しはOKなようですが、とにかく10日間は毎日玄米のみです。


 

それだけ聞くと物凄く辛そうな感じがしますが、他の断食方法と違うのは、玄米だったら特に量に制限がないことです。ですので、空腹で辛い…ということはありません。


 

他の注意点は、なるべく無農薬に近くて栽培方法がしっかりしている玄米を選ぶことと、とにかく良く噛む事。最低でも1口30回以上は噛んでから飲み込みます。そして寝る4時間前には食事を終えて、良く眠る…この3点です。


 

ちなみに、寝かせ玄米とは別名「酵素玄米」と呼ばれるもので、玄米に小豆と塩を加えて炊き、保温ジャーで3~4日保温して熟成させた玄米の事です。


【寝かせ玄米の作り方】

玄米4合・小豆50g・塩3gを用意

  1. 玄米と小豆を軽く洗い、ゴミや籾殻などを取り除く
  2. 40℃程度のぬるま湯なら6時間以上、常温の水なら12時間以上浸水して発芽状態にする(6時間に1回程度は水をかえる)
  3. 綺麗な水にして炊飯器の「玄米4合」の目盛まで水を入れる
  4. 塩を入れてよく攪拌し、玄米モードで炊飯
  5. 炊きあがったら1日1回は清潔なしゃもじでかき混ぜ、3日目くらいが食べごろ


寝かせ玄米にすると、酵素の働きでもっちりとした食感に変わり、抗ストレス効果や血圧を下げる作用があるとされるGABA(ギャバ)も増えるので、炊飯器が3日占拠されても問題が無い人は作ってみるのも良さそうです。


 

炊飯器が使えないのは困る…という人には、すでに寝かせ玄米になっているものを通販することもできますので、そちらを利用するという手もあります。


 

10日間の7号食を終えた後は、いきなり普通の食事に戻すのではなく、4~6日間回復食」にして徐々に戻していきます。11日目は7号食に具無しの汁物を加える食事から始めますが、味覚の変化にちょっとビックリするかもしれませんよ。


 

その後は6号食→5号食→4号食と戻していきます。3~1号食は「快楽食」という位置づけで、健康にとって良くない食事とされていますので、4号食が通常食というわけですね。6号食以下は次のようになっています。


  • 6号食…7号食+味噌汁と漬け物
  • 5号食…6号食+季節の野菜のみのおかず1品まで
  • 4号食…5号食+野菜のおかずもう1品(肉か魚もOK)
  • 3号食…おかず3品
  • 2号食…おかず4品
  • 1号食…好きな物を好きなだけ

 

1号食になると、揚げ物だろうがお菓子だろうが好きなだけ…ということですから、生活習慣病のリスクが高く、健康で幸福な生活から遠ざかるというのも納得ですね。

 

溜まった毒素を排出


7号食は、「玄米という体に良いものを食べる」ということで得られる効果ももちろんありますが、その真髄は「良くないモノを体に入れない」というところにあります。


 

普段私たちが食べているものは、添加物や農薬など、体にとって悪影響を与えるモノが使われている食品が数多くあります。お菓子や加工食品はもちろんの事、コンビニ弁当には長持ちさせるためのモノが入っていますし、肉や魚だってエサに農薬を使った穀物や、化学物質が使われていないとは言えません。


 

いくらデトックス効果がある玄米を食べていたとしても、次から次へと良くないモノを食べていたら、その効果は半減してしまいます。


 

そこで7号食をして余計な物を口に入れないことで、有毒なモノを無毒化している肝臓などの内臓を休ませて機能を回復し、溜まってしまった毒素を排出する機能を高めることが出来るのです。


 

玄米に含まれるフィチンには「キレート効果」というものがあって、体内に溜まった水銀や鉛などの重金属を排出してくれます。食物繊維のデトックス効果については前述のとおりです。


 

更に7号食を終えた後は、味覚も敏感になって食への意識も変わってきますので、通常食に戻っても以前より体に良い食事になる事が多いんですよ。

 

青汁アトピーにも玄米っていいの?デトックスによる好転反応とは?


アトピーといえば、かゆみや湿疹が繰り返し起こり、肌のバリア機能が低下してしまうために刺激に弱くなってしまう厄介な病気ですよね。


 

原因は遺伝や生活習慣・アレルギーなど色々あると考えられていますが、ハッキリとは判っていないのが現状です。


 

その中で、アトピーの悪化には体の中の毒素や腸内環境が影響しているのではないか…という説があります。そうだとすると、デトックス効果があって腸内環境改善にも良い玄米は良さそうな感じがしますが、実際にはどうなのでしょうか?

 

個人差がある


玄米には7号食の他にも、「玄米菜食」という玄米と野菜を食べる食事療法があります。食物繊維とフィチンのデトックス効果と、豊富なミネラルやビタミンによってアトピーがよくなる人も勿論いますが、実は悪化してしまう人もいます


 

まず一つ目の原因として、お米にアレルギーがある場合です。お米アレルギーだとハッキリ判っている人が食べることは少ないと思いますが、「仮性アレルゲン」として少量では症状が出ない場合もあります。


 

日頃の食事では気にならなかったとしても、7号食など極端に多く玄米を摂取する事で症状が出てしまうため、アトピーが悪化してしまうのです。


 

もう一つは、玄米に含まれる「アブシジン酸」がミトコンドリアの活動を低下させてしまった場合です。アブシジン酸とは、発芽抑制因子と呼ばれるもので、種を乾燥などから守っている成分で、ごま等にも含まれています。


 

ミトコンドリアは体の中でエネルギーを作っているため、活動の低下は低体温を招き、血流を悪くして肌の新陳代謝も悪くなります。更に免疫力も低下してしまうので、アトピーの悪化につながります。


 

ただアブシジン酸は玄米を発芽させれば働かなくなるので、玄米を充分に浸水させて自分で発芽状態にしてから炊けば、その毒性は発揮されません。


 

ここで注意したいのは、再度乾燥させている市販の発芽玄米では、再びアブシジン酸が活性化してしまっているというところです。乾燥から守るための成分ですからね。


 

栄養価が高いからと市販の発芽玄米を続けて食べている人や、充分に浸水させないで炊いてしまっている人の場合には、ミトコンドリアの活動が低下して症状が悪化してしまう可能性があります。

 

好転反応の場合も


好転反応というのは、もともと東洋医学で使われる用語で、針治療などの途中で溜まっていた老廃物や毒素が血液中に流れ出すことで、眠気やだるさ・発疹など、一時的に酷くなったような様々な症状が出る事を言います。


 

近年では、自然療法や健康食品などを新しく取り入れた時に、体がそれに慣れるまでや、針治療の時と同じく老廃物や毒素が流れることによって、同様に一時的に悪化したような症状が出る事も指します。


 

玄米にデトックス効果があるといっても、溜まっている場所から消えてなくなるわけではなく、便や尿・汗や皮脂といったものと一緒に体の外に出さなくてはいけませんので、排出される毒素が皮膚を刺激し、一時的にアトピーが悪化したような感じになる事があるのです。


 

老廃物や毒素が溜まっている人ほどそれは現れやすく、排出に時間がかかってしまうので、「自分には合わなかった」と早々に止めてしまうことも多いのですが、好転反応はこれから良くなる兆候とも言われていて、毒素が排出しきれば改善していきます。


 

難点は、それが好転反応なのか、本当に体質に合っていないのかが素人目には判りにくいことで、その見極めが重要になってきます。

 

主治医と相談を

玄米をアトピー治療に取り入れる場合は、自己判断で行うのではなく、やはり主治医とよく相談し、経過を見ながら行う方が安全です。


 

アトピーを改善するためには、皮膚だけでなく全身を見る必要がありますし、万が一悪化してしまった場合も迅速に対応してもらうことが出来ますからね。


 

もし玄米を使ってみようということになった時には、どの位の玄米を食べたか・痒みや発疹などの症状はどう変化したか・便の様子はどうだったかなど、その日その日で細かくメモしておいて、次回の診察の時に伝えるとより良い治療に繋がりますよ!

 

 

青汁やり過ぎは要注意!玄米でデトックスするコツとは?


栄養豊富でデトックス効果の高い玄米ですが、取り入れ方や食べ方によってはデメリットも存在します。これから玄米を食べてみようかな?と思っている人は、それを踏まえてチャレンジするとより効果的が実感できるはずです。

 

10日を越えて断食しない


玄米は「完全栄養食」と呼ばれたりもしますが、やはり玄米だけでは足りない栄養も出てきます。7号食が『10日間』となっているのは、そういう意味もあるのです。炊いた玄米100gで摂れる栄養素を見てみましょう。


玄米ご飯100g ミネラル(mg) ビタミン(単位なしmg)
165kcal
タンパク質 2.8g
脂質    1.0g
炭水化物  35.6g
水溶性食物繊維0.2g
不溶性食物繊維1.2g含む
ナトリウム  1.0
カリウム   95
カルシウム  7.0
マグネシウム 49
リン     130
鉄      0.6
亜鉛     0.8
ビタミンB1  0.16
ビタミンB2  0.02
ビタミンB6  0.21
ビタミンc   0
β‐カロテン    0
ナイアシン  2.9
パントテン酸 0.65
ビオチン  2.5μg
葉酸    10μg

日本食品標準成分表2015年版(七訂)より

 

タンパク質の1日の必要量は、厚生労働省の基準では男性50g・女性40gとされていますから、女性でも1.4kg以上食べないと充分な量になりません。タンパク質は内臓や筋肉を作るために必要ですし、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや睡眠ホルモンのメラトニンの原料でもあります。


 

脂質は細胞膜やホルモンの原料として必要ですが、やはり玄米だけでは不足してしまいます。β‐カロテンやビタミンCは、野菜も果物もない7号食ではほとんど摂れないことがわかりますね。


 

七号食での半断食はデトックス効果は抜群ですが、続けすぎると筋力が低下したり、肌や髪の張りツヤが無くなったり、不眠や鬱も招きかねませんので、7号食は『特別食』と位置付けて10日を超えないようにしましょう。

 

消化不良に注意


玄米は白米と違って硬い皮に覆われているため、柔らかく炊けていなかったり、良く噛んで食べていない場合には、消化不良になり便秘や下痢を引き起こすことがあります。


 

玄米を炊く時には12時間以上充分に浸水させ、水加減も玄米の目盛(無い場合は玄米の1.5倍の水)で炊くようにしましょう。白米と同じに炊いてしまうと、水分不足で硬い玄米になってしまいます。


 

食べる時には最低でも1口30回、理想は1口100回噛んで、唾液に含まれる消化酵素が良く働けるような状態で飲み込むと、胃腸への負担も少なくなります。


 

胃腸が弱っている時には、玄米を炊いて食べるよりも、玄米粉を使って「玄米クリーム」を作って食べるのもオススメです。

 

定期的に7号食を

デトックス効果を期待するのであれば、7合食は定期的に行うと良いでしょう。3~4ヶ月毎に1年間には続けるとより効果的であることを書いてください。

 

玄米に高いデトックス効果があるといっても、今までの積み重ねで溜まりに溜まった老廃物や毒素が、1回の7号食で全部排出できるわけではありません


 

一時しのぎではなく根本的なデトックス効果を期待するのであれば、3~4カ月に1回の7号食を定期的に行い、普段は4号食にする…というのを1年間は続けてみると、より高い効果が得られます。


 

ただし体質や体調によって個人差もありますので、盲信的に「玄米玄米」と食べるのではなく、自分の体とよく相談しつつ、美味しく楽しく玄米食に取り組んでくださいね!

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