青汁飲むと腎臓が強くなるって本当?青汁の効果的な飲み方と注意も

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青汁は腎臓や肝臓に悪いの??飲んではいけない人とは?

 

「青汁」といえば、「体に良い」とか「野菜不足を補える」というイメージが強い、誰でも知っている健康食品ですが、青汁情報のなかには「腎臓や肝臓には良くない」というものもみられます。


そんな話を聞いてしまうと、青汁って飲まない方が良いの?本当は体に悪いの??と思ってしまう人もいるかもしれませんが、そういうわけではありません


例えるなら、普段ならスタミナがつく焼肉も、胃腸が弱っている時や食欲がない時には逆にダメージになることがあるように、青汁にも、飲んで元気になる人と逆にダメージになる人がいるのです。

 

腎・肝機能が正常な人はOK

 

青汁には、ビタミンCやビタミンB群をはじめとするビタミン食物繊維、カルシウムや鉄・亜鉛やカリウムといったミネラルが豊富に含まれています。


ビタミンには、脂質や糖質・たんぱく質をエネルギーとして代謝するのに使われるものや、抗酸化作用で活性酸素から体を守ってくれるものがありますし、食物繊維は腸内環境を整え、余分な糖や脂質の排出にもかかわる大事な栄養素です。


ミネラルは体の働きを正常に保つために必要な栄養素で、体の中では作る事が出来ないため食事で摂る必要があります。


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カルシウムには骨や歯の元になるだけでなく、体液をアルカリ性に保ったり、心筋をはじめとする筋肉が伸び縮みするためにも必要になります。


鉄分といえば貧血の予防・改善のイメージが強いですが、肝臓が解毒するために必要な酵素や、活性酸素を除去するための酵素の成分としても欠かせません。


カリウムは、塩分を摂りすぎた時にナトリウムを排出する働きがあるとして知られていますが、他にも老廃物の排出を助けたり、ナトリウムと一緒に細胞や体液の状態を調整する働きがあります。


青汁を飲むだけでこれだけの栄養素が摂れるわけですから、腎臓や肝臓の機能に問題が無い人なら、健康に良いことは間違いありません!

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腎・肝臓病を抱える人はNG

 

青汁 腎臓病 肝臓病そんな栄養満点な青汁ですが、その栄養の豊富さが仇になって、一部の栄養素がダメージになってしまう人がいます。それが、慢性腎不全で人工透析を受けている人や、C型肝炎肝硬変で治療を受けている…といった、腎臓や肝臓に重度の疾患を抱えている人です。


先ず腎臓ですが、健康な人の腎臓は老廃物を尿として排出し、尿量で体内の水分量を一定に保ち、ナトリウムやカリウム・カルシウムやリンなどの「電解質」の濃度や量を調節するといった働きをしています。


もし水分や電解質を摂りすぎてしまったとしても、腎臓が要らないものや多すぎる分を尿として体の外に出してくれるので、私たちはそれ程摂りすぎを気にすることなく生活出来るのです。


しかし慢性腎不全で透析を受けている人は、腎臓がほとんど働けなくなっているので、水分や電解質を尿として排出する事が出来ず、どんどん体の中に溜まってしまいます。


青汁に含まれている電解質の一つ「カリウム」は、血液中の濃度が高くなりすぎると『高カリウム血症』という良くない状態を引き起こすのです。


高カリウム血症とは、通常3.6~5.0mEq/Lの血液中のカリウムの濃度が5.5mEq/L以上になった状態のことで、人によって吐き気や嘔吐・知覚過敏やしびれ・脱力感といった症状が現れます。


さらに血液中のカリウム濃度が7.0~8.0mEq/Lと高濃度になってしまうと、心室細動など致死性のある不整脈を引き起こし、最悪の場合心停止に至ってしまうという恐ろしい症状なのです。


次に肝臓ですが、本来ビタミンやミネラルは、肝臓がエネルギー代謝を行ったり解毒を行うのに必要不可欠な栄養素で、肝臓の機能が弱っている人でもそれは変わりません。


それならなぜ肝臓に疾患がある人にとって青汁が害になるのか?というと、青汁の豊富な栄養素のなかに「鉄分」が入っているからです。


もともと肝臓には鉄分を蓄える働きがあるのですが、肝炎などで肝臓に障害が起こっている時には、余分に鉄分を蓄えようとしてしまうのです。


肝臓に過剰に蓄えられた鉄分は、活性酸素を大量に発生させる原因になり、肝臓をはじめとする様々な細胞にダメージを与え、炎症を悪化させます。


カリウムも鉄分も、普段なら健康を保つためになくてはならない栄養素ですが、腎臓と肝臓に大きな疾患を抱えている人にとっては、なるべく摂り過ぎたくない栄養素に変わるのです。


「青汁は腎臓や肝臓に良くない」と言われてしまうのはそういう理由からなんですね。腎臓や肝臓に病気を抱えている場合には、自己判断で青汁を取り入れるのは止めた方がいいでしょう。

 

腎・肝臓病の予防になる


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腎臓や肝臓というのは、ちょっと調子が悪いくらいでは自覚症状がなく、気付いた時にはかなり症状が悪化していた…ということも少なくありません。ですので、日頃の生活から気をつけて病気を予防することが重要になってきます。


万病の元と言われている、高血圧高血糖高脂血症肥満は当然腎臓や肝臓にも悪い影響をあたえますので、それらを防ぐような食事や、頑張っている腎臓や肝臓の機能を助けてくれる栄養素が必要です。


慢性腎不全の人にとっては気をつけたいカリウムですが、健康な人にとっては、塩分の摂りすぎで増えてしまったナトリウムを排出し、高血圧の予防に効果のある頼もしい栄養素です。


青汁の豊富な食物繊維は、余分な糖や脂質の吸収を抑えて排出することで高血糖や高脂血症を予防し、腸内環境を整えることで余分な毒素の発生を防いで、肝臓の負担を減らします。


亜鉛は脂肪肝を予防し、β-カロテンやビタミンCなどの強い抗酸化作用は動脈硬化を防ぐのにも効果を発揮します。


豊富なビタミンやミネラルは、肝臓がエネルギー代謝や解毒を行うのを助け、青汁で水分量を増やせば、慢性的な脱水症状で腎臓が弱ってしまうのを防ぐ事が出来ます。


転ばぬ先の杖ならぬ、病気の前の青汁…腎・肝臓病予防への効果が高いことがわかりますよね。実は腎臓の機能が悪くなってしまった人の中には、青汁と断食などの食事法をかけあわせて症状か改善した…なんて人もいるくらいです。


機能が衰えた腎臓に悪影響があるといわれているのは、数ある栄養素の中でカリウムだけですから、この人の場合は断食で腎臓を休ませて他の食べ物からカリウムを摂らなかったことで、カリウムの害より他の栄養素の恩恵の方が大きかったのかもしれませんね!

 

青汁医学博士 遠藤仁郎氏は青汁で慢性の腎炎を改善させた

 

医学博士の遠藤仁郎氏…と急に言われても、「誰??」ってなっちゃう人のほうが多いですよね。遠藤仁郎博士とは、戦時中の食糧難の時に捨てられていた野菜の葉から栄養を摂る事を思いつき、のちに青汁へと発展させ『青汁の父』と呼ばれる人物です。


ちなみにみなさん御存じの「青汁」という名前も、遠藤博士の奥様が命名されたそうですから、遠藤博士夫妻がいなかったら「青汁」というものは存在しなかったかもしれませんね。


その遠藤博士の奥様が腎炎を患ったのは昭和19年のこと。遠藤博士は「医学博士」ですから、もちろんお医者様なのですが、当時は第二次世界大戦の真っただ中で物資も少なく、腎炎には特効薬もありません


そこで普段の食事(芋類・小麦粉を主食として大量の緑葉を添えた無塩食)に青汁を1日180cc~360cc、多い時は540ccを飲むようにしてみたところ、腎炎は改善されたそうです。


その経験から、遠藤博士は腎臓を患っている患者さんにも、生活指導とともに青汁をすすめ、多くの人から良くなっているとの報告を受けています

 

血液のカリウムが増えすぎると心臓に悪影響

 

腎臓病を患っている人にも青汁をすすめていた遠藤博士ですが、ただ盲信的に推し進めていたわけでも、カリウムの害を知らなかったわけでもありません。腎臓病の人に青汁が良い理由をこう説明しています。

 

 血液のカリウムがふえておそろしいのは心臓に悪影響があることだが、この影響は、ただ血液のカリウムが多いことだけでなく、同時にカルシウムが減ったり、酸度が強まることも関係する。
そこで、その治療にはアルカリやカルシウムの注射が行われている。
ところで、ナッパや青汁にはアルカリもカルシウムもともにウンとあるから、たとえカリウムは多くても、その悪影響は十分防がれる仕組になっている、といってもよいわけだ。

参照URL:
http://www.tanabe-shokuhin.co.jp/aosiru/kenkoutoaosiru/shourei/jinzou/jinzou03.html#sh07-3-5

 

カルシウムを体内に吸収するために必要な活性型ビタミンD腎臓で作られているのですが、腎臓の機能が低下してしまうとこのビタミンDが作られなくなってしまうために、カルシウム不足になってしまいます。


カルシウムは脳への神経伝達や、心筋の収縮にも必要な栄養素で、心臓が正常に動くためには血液中のカルシウムが多くても少なくてもいけません。カルシウム不足は高カリウム血症と同じく不整脈の原因にもなるのです。


もう一つ遠藤博士のお話の中にあった「酸度が強まる」というのは、健康な状態では弱アルカリ性である血液のphが酸性に傾いてしまうことを指しています。


本来血液が酸性に傾いてしまった時には、腎臓が余分な酸を尿として体の外にだしてくれたり、酸を中和する重炭酸イオンを出したりしてバランスをとってくれているのですが、腎臓がうまく機能していないと酸性に傾いたままになってしまいます。


血液が酸性に傾いた状態は「アシドーシス」と呼ばれ、症状として吐き気や嘔吐・重度の場合はショック状態昏睡を引き起こし、命を脅かすことになりかねません。


遠藤青汁それを防ぐためには食事にも気をつける必要があり、肉やお米・卵や砂糖といった酸性食品は控えて野菜や果物・大豆食品といったアルカリ性食品を摂る方が望ましいとされています。


それらを考えてみると、青汁はカリウムだけで出来ているわけではありませんから、遠藤博士が「他の栄養素の効果を無視してカリウムが多いから青汁は良くないと決めつけるのはどうか」と苦言を呈しているのもわかりますよね。

 

腎臓の重荷をなるべく少なくする食事内容に!

腎臓のはたらきで、もっとも負担の大きいものは、尿毒症の原因とされている蛋白質の分解産物の排泄。
蛋白質は必要の最小限にとどめ、とりすぎないようにすること。しかし、蛋白質は絶対必要な栄養分であり、病腎の修復のためにも大切なものなので、良質なものをとり、必要最小限にとどめるべき。


 

高カリウム血症の「心停止」にインパクトが強すぎて、どうしてもカリウムの摂取量に目が行きがちですが、腎臓に負担をかけているのはカリウムだけではありません。腎臓の重荷を減らすためには、食事全体の内容に気をつける必要があります。


  • たんぱく質を摂りすぎない
    たんぱく質が体の中で使われると「尿素窒素」という老廃物が残ります。この尿素窒素は腎臓でろ過されて尿の中に出される物質なので、たんぱく質を多く摂ると尿素窒素が増えて腎臓はたくさん働かなくてはいけなくなり、大きな負担になります。


  • 食塩は控える
    腎臓が働けなくなってくると、ナトリウムを排出する力も落ちてしまい高血圧の原因になります。高血圧になると、更に腎臓の負担が増えて機能が落ちるという悪循環になってしまいます。


  • エネルギーは十分に摂る
    エネルギーが不足すると、体の中にあるたんぱく質が分解されてエネルギー源として使われます。そうなると結局たんぱく質をたくさん摂ったのと同じ状態になりますので、尿素窒素が増えてしまいます。


たんぱく質は、腎臓の機能が落ちてくるとカリウムより先に制限がかかりますので、特に重要です。たんぱく質というと肉類を思い浮かべると思いますが、実はご飯やパン・芋類・果物・野菜などあらゆる食品に含まれているので注意が必要です。


とはいえ、たんぱく質を作っているアミノ酸は生きるために無くてはならない栄養素です。腎臓が弱っている時には、アミノ酸がバランス良く含まれている良質なたんぱく質(肉・魚・卵・牛乳・大豆)を必要量は摂るようにしましょう。


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たんぱく質を増やさずエネルギーの摂取量を増やしたい場合は、たんぱく質の含まれないや、たんぱく質の少ないでんぷん製品を上手に利用すると満足感もアップしますよ!

 

青汁青汁で結石が出来る?シュウ酸に気を付ければ大丈夫!

 

腎臓に関係する病気といえば、腎炎や腎不全の他にも『腎臓結石』や『尿路結石』がありますよね。尿路結石は、胆石や膵炎とともに「3大激痛」といわれる程ですから、一度経験した人は「もう二度と味わいたくない!」と思っていることでしょう…。


結石の原因になるものは摂らないようにしよう…と思って情報を集めたことのある人の中には「青汁を飲むと結石が出来る」という噂を耳にした人もいると思いますが、本当のところはどうなのでしょうか?

 

結石の原因はシュウ酸

 

腎臓結石とは、その名の通り腎臓の中に出来た石のことです。その石が尿の通り道に流れてきたり、膀胱の中にできた状態が尿路結石になります。


尿路の結石は、90%前後が「シュウ酸カルシウム」や「リン酸カルシウム」といったカルシウム結石で出来ていて、一番多いのがシュウ酸カルシウム結石です。


シュウ酸は食品にも多く含まれていますが、カルシウムと結び付きやすい性質があるので、通常は腸内でカルシウムと結び付き、大きな結晶になるため吸収されずに便と一緒に排出されます。


しかしシュウ酸を多く摂ってしまうと、カルシウムと結び付けなかった分が体内に吸収され、腎臓や尿の中で結晶になってしまうので腎臓結石や尿路結石になるのです。


シュウ酸の多い食品は、実は文部科学省の食品データベースにはほどんど載っていませんが、そちらと厚生労働省の委託事業である公益財団法人日本医療機能評価機構の尿路結石ガイドラインどちらも1位はほうれん草になっています。


他にも数値は無いものの「葉菜類の野菜に多い」との記述があるので、

ほうれん草に多い→葉菜類の野菜に多い→野菜からできている青汁にも多い

というイメージがあるんでしょうね。


確かに野菜にはシュウ酸が含まれているので、青汁にも入ってはいますが、青汁にはカルシウムも入っていますので、シュウ酸は腸内でカルシウムと結び付き体内に吸収される量はグッと少なくなります


青汁 カフェイン


それよりも注意しなければならないのは、紅茶や緑茶・コーヒーにもシュウ酸は含まれているということです。


1日に飲む青汁の量はせいぜい1~3杯だと思いますが、お茶やコーヒーとなると1日に何杯も飲んでいたりはしませんか?水分摂取は尿路結石を防ぐためにも重要ですが、飲み物の種類も気をつける必要があるのです。

 

選ぶならケールがおススメ

 

それでもやっぱり青汁のシュウ酸が気になる!という人は、原材料にシュウ酸が多く含まれている野菜が入っているものは避けるようにして、よりシュウ酸が少ないものを選べば安心です。


避けた方が良い野菜としては、「シュウ酸が多い」との記述が多い、ほうれん草・カリフラワー・キャベツ・パセリ・があげられます。


逆に「シュウ酸が少ない」と良く言われているのがケールです。ケールは100gに含まれるカルシウムの量が牛乳よりも多いので、カルシウム摂取の点から言ってもオススメ出来ます。

 

青汁青汁を飲めば腎臓は強くなる!


青汁 

青汁には豊富なビタミン・カリウムなどのミネラル、そして食物繊維やアミノ酸も含まれています。ミネラルや食物繊維は老廃物の排出をうながし、血液をサラサラにすることで腎臓が働きやすい環境を作ります。


ビタミンは代謝を助け、アミノ酸には脂肪肝を防いだり、肝機能を高めてくれるものがありますので、肝臓を元気にします。


とはいえ、青汁だけで健康な体が手に入るわけではありません。青汁の効果を高めて腎臓や肝臓を強くするためには、日頃の生活習慣と食生活の見直しが必要不可欠です。


タバコをやめる・お酒は飲みすぎない・塩分は控えてバランスの良い食事をとる・ストレスを溜めない・無理のない程度の運動をする…というのはどこででも言われていることですが、それだけ健康にとって大切なことなんです。


体の一部だけをなんとかしようとするよりも、トータルにケアしていく事で、「こっちは良くなったけどあっちが悪くなった…」なんてことなく本当の健康が手に入るはずですよ。


 

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