ゴーヤの栄養や効能とは?選び方と調理法は?

ゴーヤ,栄養

ゴーヤにゴーヤー、ゴーラ・にがうり…と色々な呼び名があって、品種で呼び分けることもありますが、基本的には沖縄料理の「ゴーヤチャンプルー」などでお馴染みのあのゴーヤの事です。


近頃は夏になるとスーパーでも手軽に買えますし、最近流行りの「緑のカーテン」に出来る植物として、一般のご家庭でも育てている人が増えていますので、夏になると知り合いがくれる…なんて人もいるんじゃないでしょうか?

 

ゴーヤの豊富な栄養とその効果、知ってますか?

 

ゴーヤ,栄養


ゴツゴツとした独特のフォルムで味には苦みがあるので、みんな大好き!というわけにはいかないお野菜ですが、実はすごく栄養豊富で、ぜひ毎日の食事に取り入れて欲しい食材です!


今まであんまり食べた事が無い人も、その栄養の凄さを知ったら、ついスーパーでゴーヤを探したくなっちゃうかもしれませんよ?


食物繊維で便秘解消!余分な脂質の吸収を防ぐ

 

便秘の解消と言われて真っ先に思いつくのは食物繊維ですよね!食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があって、便秘を解消するには2:1の割合でバランス良く摂るのが理想です。


野菜は不溶性食物繊維の量が圧倒的に多く、レタス100gでは不溶性食物繊維1gに対して水溶性食物繊維0.1gと10倍の差があります。


それに対してゴーヤはというと、100gで不溶性食物繊維2.1g・水溶性食物繊維0.5gと約4倍。野菜の中では水溶性食物繊維が多く、バランスが良いんです!

 

食物繊維が足りないと便秘だけじゃなく、肌荒れしたり肥満に糖尿病・動脈硬化に高血圧まで、美容にも健康にも問題が出てきてしまいます。


それは何故か?というと、食物繊維はコレステロールなどの余分な脂質を吸着して体の外に出してくれたり、ナトリウムを包み込んで体の外に出してくれる役目があるからなんです。


便秘じゃない人には、たかが食物繊維と思われがちですが、これがないとコレステロール値は下がりにくいし、ナトリウムのせいで血圧は上がるし…なんてことになりかねませんので、便秘じゃなくても積極的に摂ってほしい栄養素です!


カルシウムで老化防止&免疫力向上

 

骨粗鬆症


カルシウムで真っ先に思いつくのは乳製品だと思いますが、実は野菜にもカルシウムは含まれています


カルシウムが足りないと骨がスカスカになって骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になる…というのはみんな知ってると思いますが、なんで骨がスカスカになっちゃうか知っていますか?


体の中にあるカルシウムは99%が骨や歯に蓄えられていますが、実は血液や筋肉などにも少し含まれていて、これが体をアルカリ性に保ったり、神経の伝達や筋肉の動きをサポートするといった重要な役割を持っています。


このカルシウムは普段は一定の濃度を保っているのですが、足りなくなると体は歯や骨のカルシウムを使って補おうとするので、歯や骨がどんどん弱くなって老化が進んでしまうのです。


しかもカルシウムが足りなくなると、体の免疫細胞が機能しにくくなり、体の抵抗力がなくなってしまうので、健康な体を保つためにカルシウムは欠かせないというわけなんですね…。

OL





だからといって多ければ良いというわけでもなく、サプリメントなどでカルシウムを多く摂りすぎると「高カルシウム血症」という血液中のカルシウム濃度が高すぎる状態になってしまいます。


出来ればカルシウムは食事から摂りたいものですが、意識して摂らないとなかなか満足な量は摂れません。日頃から乳製品を摂るのはもちろんですが、野菜でカルシウムも摂れたら嬉しいですよね!


苦み成分が胃粘膜を保護し、自律神経のバランスを整える

 

ゴーヤの旬である夏といえば、暑さで食欲が減り、食べるものが偏るので胃腸が荒れ、更に気温や冷房の影響で自律神経が乱れやすい季節でもあります。


ゴーヤには『モモルデシン』という、サポニンと20種類以上のアミノ酸などで構成された苦み成分が入っています。モモルデシンには胃壁を刺激して消化を助けたり食欲を増進させる効果や、胃腸の粘膜を保護してくれる働きがあります。


しかも自律神経のバランスを整える効果もあるので、ゴーヤは夏場体調が悪い時に是非食べてほしい食材です。


おまけにゴーヤにはモモルデシンの他にもチャランチン・コロソリン酸と言う成分も入っていて、血糖値を下げたり、肝機能を高める効果もあります。「良薬口に苦し」という言葉がありますが、これはゴーヤにも当てはまるんですね!


青汁女性の強い味方になるゴーヤの栄養素・鉄と葉酸

 

ゴーヤ,貧血


鉄と葉酸といえば、貧血で悩む女性や妊娠したい女性にぜひ摂って欲しい栄養素で、鉄は体に必要なミネラルの一つ、葉酸はビタミンB群の一種です。


鉄と葉酸で貧血対策

貧血の症状といえば、めまいや立ちくらみ・息切れや疲れやすさなどが有名ですが、ひと口に「貧血」といってもいくつか種類があります。鉄分と葉酸を摂る事で対策出来る貧血は2種類です。


鉄が足りないことで起こるのは『鉄欠乏性貧血』といって、貧血全体の7割以上はこの鉄欠乏性貧血が占めています。鉄は全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料になりますので、鉄分が不足すると体が酸欠状態になり、色々な症状が出てしまうのです。


男性より女性に貧血が多いのは、同じだけ鉄分を摂っていても、生理の出血で男性よりたくさん体の外に鉄分が出て行ってしまうからなんですよ。


葉酸が足りないことで起こるのは『葉酸欠乏性貧血』といって『ビタミンB12欠乏性貧血』と合わせて「悪性貧血」とも呼ばれています。


葉酸は細胞を増やすのに欠かせない栄養素で、赤血球を作るのにも使われています。ヘモグロビンというのは、この赤血球のなかに入っていますので、赤血球が作られないと、やはり体が酸欠になり鉄欠乏性貧血と同じような症状が出てしまいます。


他にも病気が原因の怖い貧血もありますので、原因を特定するには病院で検査をする必要がありますが、鉄欠乏性貧血と葉酸欠乏性貧血は普段から鉄分と葉酸を摂る事で予防・改善が出来ますので、鉄分と葉酸が多い食べものは進んで摂りたい栄養素です。


造血作用により肌の新陳代謝が上がり、くすみ解消

 

血液というのは、ご存じのとおり全身に酸素と栄養を運んでいます。体中の細胞はこれを元にして活動し、要らなくなった老廃物などは静脈に流す事で体の外に出せるようにする…というのを繰り返しています。


血液に乗って酸素と栄養が充分に巡ってこないと、細胞は増えたり新しくなったり出来ないわけです。


お肌の新陳代謝とは、いわゆるターンオーバーと呼ばれるもので、肌の深くで新しい細胞ができ、だんだんと肌の表面に上がっていくことで、古い角質が剥がれて入れ替わっていくことです。


血行不良になってしまうと、肌は栄養や酸素が行き届かないためにくすみ、老廃物も回収されないのでお肌はどんどん老化してしまいます。


お肌の張りに必要なコラーゲンを作るためには、鉄とビタミンCは必要不可欠で、さらに鉄は、細胞を老化させる活性酸素を取り除くための、酵素を作るのにも必要です。


鉄分や葉酸は、健康を保つだけでなく美容にもなくてはならない成分というわけです。貧血じゃなくても、お肌が綺麗になるなら気にならない女性はいないですよね!


青汁加熱に強い栄養素を持つゴーヤ、おすすめの食べ方

ゴーヤ,ビタミンC

ビタミンCというのは水溶性で水に溶けやすく、野菜のビタミンCは加熱調理に弱い…というのが一般的ですが、ゴーヤのビタミンCは熱に強いという特性があります。


加熱出来ないとなると、その食べ方はサラダか生ジュースあたりに限られてしまいますが、加熱に強いゴーヤなら色々な食べ方が楽しめます。


加熱に強いビタミンCはトマトの2~5倍

元の見出し「加熱に強いビタミンCはレモンの2-4倍」

 

いくら「加熱に強い」といっても、加熱調理をすれば多少は減ってしまうのは仕方ありません。だとすると、重要なのは「元々どのくらいビタミンCがあるか」と「どのくらい熱に強いか」だと思いませんか?


それなら…と、普段から生で食べる機会が多くてビタミンCが多そうな野菜『トマト』とビタミンCの量を比べてみましょう。


トマトを100g食べた時に摂れるビタミンCは、普通のトマトで15mg・ミニトマトで32mg。ミニトマトのほうが多いんですね!


それではゴーヤはというと…100gで76mg!!普通のトマトなら500gは食べないと摂れないビタミンC量です。


レモンのビタミンCは?

ちなみにビタミンCの代名詞レモンは、へたと種以外、皮も丸ごと食べれば100gで100mgのビタミンCが摂れます。果汁なら100gで50mg…確かに多いですが、よほどの酸っぱいもの好きサンじゃないと食べるのは難しいかも…。

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ゴーヤは生で食べればかなりの量のビタミンCが摂れることがわかりました。これなら調理で多少減ってしまったとしても、多いことに変わりはなさそう。


でもここまで来たら「どのくらい熱に強いのか?」もやっぱり気になりますよね?そのヒントは<日本食品標準成分表2015年版>の『にがうり』にしっかり書いてありました。「生」の下に…「油いため」が!!


生にがうり100gで76mgだったビタミンC、油いためでは…100gで75mg!
炒めると水分が飛ぶので、生よりはゴーヤの量が必要だったとは思いますが、それでもこの数値なら加熱調理も気兼ねなく出来そうです!


ただしあくまでも「油で炒めた」時の数値で、炒める前に水にさらした場合は、水にビタミンが流れ出てしまう可能性がありますので注意してくださいね。


ゴーヤ+ビタミンE+タンパク質で抗酸化力UP

 

ゴーヤチャンプルー加熱調理が出来ることがわかったゴーヤですが、どうせなら栄養素が吸収しやくすなる食材とか、効果が上がる食材と一緒に食べたいですよね?


ゴーヤには抗酸化作用のあるビタミンCがたくさん含まれていますが、このビタミンCととても相性の良い栄養素として有名なのがビタミンEです。


ビタミンEも抗酸化作用のあるビタミンですが、ビタミンCと違って油に溶けやすい「脂溶性」で、活性酸素と闘った後は力が無くなってしまうという性質があります。


ビタミンCは、この力が無くなったビタミンEを復活させるという『相互作用』があるのです。しかも水溶性のビタミンCではカバーしきれない部分を補ってくれるので、ぜひ一緒にとって欲しい栄養素です!


ビタミンEが多く入っている食品としては、植物性の油ナッツ類があげられます。とうもろこし油やサラダ油にも入っていますので、「油で炒める」はかなり有効な調理方法になります。



もう一つおすすめしたい栄養素として、タンパク質があります。タンパク質が筋肉などを作っている体の基本ということはご存じだと思いますが、これが不足してしまうと新陳代謝が妨げられたり、貧血になってしまったりするんです。


新陳代謝に貧血…どこかで見ましたよね?せっかくゴーヤで豊富な栄養を摂っても、タンパク質不足だと意味が無くなってしまいます。ダイエットしているから…なんて野菜や果物ばかりで肉や魚を食べないでいると、体重は減っても美容と健康には大ダメージです。


そうなると、おすすめの食べ方は「油で炒めて」なおかつ「タンパク質が摂れる」料理…そう!実は『ゴーヤチャンプルー』なら完璧なんです!!沖縄の人が元気でご長寿なのも、なんか納得しちゃいますね。


ゴーヤチャンプルーは基本の作り方以外にも、自分好みに味付けや具材をアレンジ出来ますので、自分にとって最高のゴーヤチャンプルーを生み出すのも楽しいかもしれませんよ?

 

基本のゴーヤチャンプルーのレシピ

【材料】
ゴーヤ…1/2本
豚肉の薄切り…100g
卵…1個
木綿豆腐…1/2丁
サラダ油…大さじ1
かつお節…適量
塩もみ用の塩…適量

【調味料】 醤油と本みりん…それぞれ大さじ1と1/2

 

  1. にがうりは縦半分に切り、スプーンなどでわたをきれいに取り除いて2mm厚さの半月切りにする。ボウルに入れて塩でもみ、水で洗って水気をきる。
  2. 卵は溶きほぐし、豚肉はひと口大に切る。
  3. 豆腐は水切りし、手でひと口大にちぎる。
  4. フライパンにサラダ油を熱し、卵を流し入れて半熟に炒め、取り出す。
  5. 同じフライパンで豚肉、ゴーヤ、豆腐を炒め、玉子をもどし、醤油とみりんで味付けする。
  6. 器に盛りつけ、かつお節をちらして出来上がり!

苦みが苦手な人はカレーや佃煮で

 

いくら体に良いと言われても、やっぱりあの苦みは好き嫌いがわかれるところで、1回調理してみたけど苦くて食べられなかった…という人もいると思います。


実は私もそうでした…。いくら綺麗にワタを除いても、塩で苦み抜きをしても、あの舌に残る苦さに「もう買うもんか!」と思ったものです。


ゴーヤチャンプルーはたしかに素晴らしい料理ですが、食べられないのでは意味がありません。だったら、それより栄養素は減ってしまっても、美味しく食べられる料理にしちゃうのもありでしょう!


特に苦みが苦手な人におすすめなのはカレーです。もし圧力鍋があるならば、他の具材と一緒に刻んで炒めて煮込んでしまえば、苦みやエグみのある野菜もかなり緩和されて、うまくいくと大人のコクがあるカレーが出来上がりますよ!


カレーはゴーヤをどのくらいの大きさに切って、どの段階で入れるかによって苦みや食感が変わってきますので、自分の舌に合わせて加減してみてくださいね。


同じく味付けが濃くて苦みが和らぐ調理方法として、佃煮にする方法もあります。『苦くないゴーヤの佃煮の作り方』というのを載せている方がいらっしゃいましたので、興味のある方は参考に訪れてみるのも良いかもしれません。


All Abour様レシピ参照ページ:https://allabout.co.jp/gm/gc/426594/


選ぶべきはイボイボ・ピカピカ・ずっしり


ゴーヤいよいよゴーヤを買いに行こう!とスーパーや直売所に行ったら、色も形も様々でどれを選んだら良いのかわからない…ということにならないように、良いゴーヤの選び方も知っておくと困らなくて済みます。


まず色ですが、一般的に色が濃いほど苦みが強いと言われています。苦みが苦手な人は、最初は白ゴーヤから入ってみると失敗が少ないかもしれませんね。


新鮮なゴーヤを選ぶコツとしては、まずイボがしっかりしていてハリがあるものを探しましょう。イボが潰れていたり黒ずんだりしているものは避けます。イボが小さいものは苦みが強いことが多いので、苦みが好きな人はそこも要チェックです!


全体的に色が鮮やかでツヤとハリがあり、ずっしりとした重量感があるものを選びます。ゴーヤはピーマンと同じで未熟な実ですので、室温で追熟して黄色くなっていきます。貰ったゴーヤが苦すぎる時は、少し置いておくのも手ですよ。


青汁ゴーヤの栄養を体感してみよう

 

ここまできたら、後はもう食べるだけです!ゴーヤで1番実感しやすいのは便秘の解消お肌のハリだと思いますので、ゴーヤを食事に取り入れる前と、取り入れ始めてからのお腹の調子やお肌の状態を良くみておくと栄養を実感しやすいでしょう。


ゴーヤがあまり出回らない冬場や、もっと簡単にゴーヤを取り入れたい!という人には粉末のゴーヤが入っている青汁や、ゴーヤ茶なんかもおすすめですよ。


 

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