生野菜の酵素の効果とは?加熱野菜との違いや酵素の多い摂り方

生野菜,酵素

生野菜から摂る酵素ってなに?加熱野菜との違いは?

 

ダイエットや健康維持、掃除や洗濯まで「酵素が良い」って話は良く聞きますよね。食べ物にも酵素、洗剤にも酵素で、健康のために「酵素ドリンク」を飲んでいたり、生野菜を積極的に食べている…という人もいると思います。


 

洗剤にも入っているので、なんとなく人工の科学物質な印象がある人もいるかもしれませんが、そもそも『酵素』とは、私たちの体の中でも作られているものです。


 

体の中で作られている酵素は、大きく分けると『消化酵素』と『代謝酵素』の2種類あって、食べ物を消化・吸収し、代謝や排泄をするために使われている他、呼吸をしたり筋肉を動かすためにも必要な、生きるために欠かせないものなんです。


 

消化酵素というのは、唾液に含まれているデンプンを分解する酵素の「アミラーゼ」や、胃液に含まれるタンパク質分解酵素の「プロテアーゼ」、膵液に含まれる脂肪分解酵素の「リパーゼ」などがそれに入ります。その名のとおり、食べ物を消化するのがその役割です。


洗剤に入っているのもこうした分解作用を利用したもので、牛乳をこぼした時などのタンパク質汚れや、皮脂などの油系の汚れを分解して綺麗にしてくれます。


 

代謝酵素というのは、食べ物から摂った栄養を使って、内臓や皮膚といった体の新しい細胞を作ったり、毒素の解毒や排出、免疫力や自然治癒力、呼吸や運動などにも必要な酵素のことです。


 

酵素はわかっているだけでも3000種類以上ありますが、タンパク質分解酵素が脂肪を分解しないことからもわかるように、一つの酵素は一つの働きしか出来ないという特徴があります。


 

体の中で作られているものは『体内酵素』と呼ばれていて、作られる量は人によって様々で、無限にたくさん作られるのではなく、作られる量は限られていると言われています。


 

それじゃあ生野菜や酵素ドリンクの酵素は?というと、それらは『食物酵素』と呼ばれているものです。

 

食物酵素とは?

 

発酵食品

 

食物酵素というのは食べ物に含まれている酵素の総称で、言ってみれば「体の外から摂れる酵素」になります。


 

酵素が多く含まれている食品としては、生野菜・生のお肉など「生の食べ物」や、味噌や納豆・キムチやぬか漬けなどの「発酵食品」があげられます。発酵食品は酵母菌が発酵する過程で様々な酵素が作られるので、それが「体に良い」と言われる理由の一つになっています。


 

なぜ食物酵素を摂ると美容や健康・ダイエットに良いと言われているかというと、その理由は体の中で消化を助けてくれるというところにあります。


 

食べ物を食べた後は体か勝手に消化してくれているので、あまりそれを意識することはないかもしれませんが、消化に使われるエネルギーは水泳やフルマラソンに匹敵すると言われるほど体にとっては重労働です。


 

しかし食べ物を消化しなければ、体を維持する栄養がなくなってしまいますので、体は最優先でエネルギーや体内酵素を消化に使います


 

実は消化酵素も代謝酵素も大元は同じなので、1日に作られる体内酵素が消化にたくさん使われてしまうと、代謝の方には酵素がまわせなくなってしまうのです。


 

そこで食物酵素の出番です。食物酵素が消化を助けてくれるということは、その分エネルギーや食物酵素が少なくて済む…ということになりますので、代謝の方にそれらが多くまわせることになり、細胞を作る力が上がったり、免疫力や治癒力が上がるので、美容や健康に効果があるということになるのです。

 

熱に弱い酵素

 

焼き野菜

 

先ほどから「生のお肉」とか「生野菜」とか『』という言葉が良く出てきてますよね?なぜお肉と野菜じゃ駄目なのかというと、酵素は熱に弱いという特徴があるからです。


 

実は酵素はタンパク質が元になっていますので、熱に強いと言われている酵素でも耐えられる温度は50℃~70℃くらいまでで、それ以上になるとタンパク質は固まってしまい、活動出来ない状態になってしまいます


 

焼いたお肉が冷やしても生肉にはならないように、酵素のタンパク質も固まってしまえば元には戻りません。ですので、焼肉とか煮物はお肉も野菜もたくさん摂れますが、それでは働ける酵素が摂れないので、ちゃんと『生』と言う必要があるのです。


 

よく「市販の青汁は酵素が摂れない」という話も耳にしますが、これは正解でもあり不正解でもあります。


 

青汁の基本は生野菜で、粉末のものはその搾り汁を乾燥させて粉にするわけですが、乾燥させるときに高温で乾燥させているものはもちろん酵素は摂れません


 

しかし「低温乾燥」や「フリーズドライ製法」・「スプレードライ製法」などの記載があるものは、酵素や栄養素を壊さない温度で乾燥されていますので、酵素を摂る事が出来るのです。


 

酵素以外にも熱に弱い栄養素は意外とあって、高温で酸化しやすいビタミンA・加熱すると水に溶けやすくなるビタミンB1・水に溶けやすく酸化しやすいビタミンCパントテン酸葉酸も熱に弱いと言われています。


ビタミンAは粘膜の保護・ビタミンB1は糖質の代謝・ビタミンCは抗酸化作用とストレスへの抵抗力・パントテン酸は代謝を助け、葉酸は妊婦さんに必須で血液を作る栄養素ですから、食材を加熱することで。多くの大切な栄養素が減ってしまうのがわかりますよね…。

OL



 

野菜をたくさん食べるには煮物や炒め物がむいていますが、酵素や栄養素をたくさん摂ろうと思ったら『生』が重要というわけです。

 

美肌にも効果的?

 

酵素,美肌

 

美肌を保つためには、まず第一にお肌のターンオーバーが正常であることが重要になってきます。ターンオーバーとは『新陳代謝』の一つで、古い角質が剥がれて下から新しい肌に生まれ変わっていくサイクルのことです。


 

でもお肌の健康や髪の健康って、命にかかわる部分じゃないですよね?そんなわけで、代謝の中でも後回しにされてしまう場所でもあるんです。代謝より消化が優先ですが、次の代謝の中でも優先順位があるわけです。


 

生野菜で酵素を摂ると、消化を助けて代謝にまわせる力が増えますから、後回しにされていた肌や髪にも酵素やエネルギーが使われるようになるので、美肌にも良いということなんです。


 

また、消化や吸収が良くなるということは、腸内環境を良くすることにも繋がってきます。腸内環境が悪くなると老廃物や毒素が増え、肌荒れや吹き出物の原因になりますので、腸内環境の改善は美肌にとって重要です。


 

最近では『腸活』というのも流行ってますよね!腸には免疫の60%以上が集中していて、腸内の悪玉菌が増えて腸内フローラの状態が悪くなると、便秘や下痢を引き起こし、肌荒れやアレルギー・肥満や癌など様々な悪影響をおよぼします。


 

専門家も「腸の健康が全身の健康を左右する」と言っているように、健康と美容にとって外せない場所ですから、酵素は美肌にとっても効果的といえるでしょう。

 

青汁生野菜から酵素を摂るならスムージードリンクや青汁で!

 

これから生野菜で酵素を摂ろう!という時に、毎食サラダをバリバリ食べるのももちろん良いですが、サラダだとあんまり量が食べられない…という人もいると思います。


 

そんな時にはスムージーを作ったり、青汁として摂る方法がおすすめです。それならば無理なくたくさんの生野菜が摂れますし、サラダより多くの酵素が摂れるんですよ。

 

胃が弱い人にはドリンク

 

小松菜,青汁,スムージー生野菜をそのまま食べるというのは、実は誰にでも体に良いというわけではありません。胃腸が弱っている人は、ちょっと注意が必要なんです。


 

胃腸が弱っている時には消化の良いモノを食べる…というのは誰でも知っていることだと思いますが、大きく切ってある食材や硬い食材、そして食物繊維の多い食材は消化に悪いモノに入ります。


 

生野菜をそのまま食べる場合、細かく切る事は出来ますが、生ですから煮たり焼いたりした食品よりも硬く、食物繊維もたっぷりなので、良く噛んで食べないと胃腸に負担がかかってしまうんです。


 

せっかく消化を助ける酵素を摂ったのに、弱った胃腸を頑張って働かせることになるわけですから、結局消化に多くのエネルギーと酵素が使われてしまうことになります。


 

そんな時に負担が無く酵素が摂れるのが、手作りスムージーと青汁です!スムージーは機械で物凄く良く噛んだような液状ですし、青汁は言ってみれば生野菜の搾り汁ですから、固形物のように消化する必要がなくなり、効率よく酵素を摂る事が出来ます。


 

ちょっと注意したいのが、液体で販売されているスムージーや青汁です。目の前で搾ってくれるものなら問題ないですが、パックされて「清涼飲料」として売られているものは、食品衛生法でpH(ペーハー)によって65℃で10分か85℃で30分の殺菌が義務付けられています


 

殺菌で酵素も働けなくなっている可能性があるわけですね。でもすぐにパックされているものは酸化も少なく、水溶性の栄養素が流れ出る心配もないので、ビタミンやミネラルを摂る目的なら問題ないでしょう。

 

すりおろしてこす手作り青汁も酵素たっぷり!

 

今までは市販の粉末青汁のお話でしたが、自分で野菜をすりおろして作る青汁にも酵素はたっぷり含まれています。


 

野菜は「セルロース」という硬い細胞壁に覆われているので、中の栄養を摂るためにはその壁を壊す必要がありますが、人にはその細胞壁を壊せる消化液がないので、胃に入る時点で壊されていないモノはそのまま排出されてしまうことが多いんです。


 

そこで野菜を『すりおろす』と、硬い細胞壁も壊せて中の酵素を確実に摂ることが出来ます。普通に生野菜を食べる時と比べると、2~3倍の酵素が吸収出来ると言われていますので、酵素を摂るにはかなりオススメ出来る方法です!


酵素が多い手作り青汁向きの野菜は、人参・大根・かぶ・生姜・キャベツ・ケール・きゅうり等があげられます。きゅうりは栄養の少ない野菜と言われますが、タンパク質分解酵素のプロテアーゼと脂肪分解酵素のホスホリパーゼを摂る事が出来ます。

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硬い野菜は目が細かく切れ味の良いおろし金を使い、キャベツやケールなどの葉ものはすり鉢を使って、すりおろしを清潔なガーゼやふきんで搾ると、新鮮な栄養と酵素がたっぷりで飲みやすい青汁が作れますよ。


 

すりおろした後は空気に触れる面積が増えるので、栄養素や酵素が酸化して減ってしまわないように、作り置きはしないで作ったらすぐ飲むようにしましょう。

 

青汁温度に気を付ければ加熱野菜でも酵素は摂れる?

 

蒸し野菜いくら「生野菜は酵素がたっぷり」と言われても、生で食べると体が冷えるから苦手…とか、青汁やスムージーの手作りなんて面倒!という人も勿論いると思います。


 

加熱した野菜では、絶対酵素が摂れないのか?というと、そんなことはありません。酵素は熱に弱くて耐えられる温度は50℃~70℃くらいまで…ということは、生と同じとはいかなくても、50℃~70℃までの加熱なら酵素が摂れる可能性が高いということです。


 

そんな場合におすすめしたいのは、最近流行りつつある『低温調理』です。真空パックに入れて湯煎で調理するというもので、専用の調理器具も販売されています。


 

主な用途は肉料理なのですが、野菜でも水溶性のビタミン・ミネラルや酸化を防ぐことができ、温度管理をスマホと連動できる機器もあるので、比較的簡単に低温の温野菜を作る事が出来ます。


 

もう一つおすすめしたいのは『低温蒸し』です。蒸し料理は本来100℃の蒸気を使って作りますが、低温蒸しは70℃以下の蒸気で野菜を蒸して作ります。


 

こちらも専用の鍋が販売されていますが、普通の鍋にお湯を沸かし、温度計と網を設置して野菜をのせ、上から耐熱ボールを蓋として被せる方法でも作ることが出来ます。


 

ちょっと注意して欲しいのが、低温で調理した野菜は煮物のように柔らかくはならないことが多いということです。温かくはなりますが、生に近いシャキシャキとした歯ごたえですので、ビックリしないで良く噛んで食べてくださいね!


 

青汁ダイエットにも効果的?効率よく酵素を摂る方法とは?

 

生野菜には、高温で加熱した野菜には無い酵素がたくさん含まれていることはわかってもらえたと思いますが、せっかくなら酵素がたくさん摂れて、効果が高い食べ方をしたいですよね?


 

70℃を超える温度で調理しない・良く噛むか、青汁やスムージーのように液状にする…というのは大前提として、あとは食べるタイミング野菜の選び方が重要です。

 

食事の最初に生野菜


 

近年「食事は食べる順番が大切」とよく言われて、『最初に野菜を食べなさい』というのを頻繁に耳にしていると思いますが、それは酵素を摂るためにも言える事です。


 

空腹な時というのは、体が栄養やエネルギーを吸収しようとする力の強い時ですので、酵素を含む生野菜も食事の最初に食べるのが正解です。


 

最初に生野菜を食べておけば、後から入ってくる肉類のタンパク質や、ご飯・麺類などの糖質の消化を酵素がサポートしてくれます。


 

生野菜には食物繊維も豊富に含まれていますので、最初にお腹に入れておくことで、食物繊維が余分や糖質や脂質を包み込み、血糖値が急激に上がるのを防いでくれます


 

血糖値が急上昇すると、それを下げるために大量のインスリンが分泌されますが、インスリンには糖を脂肪として蓄える働きがあるため、ダイエットのためには血糖値を急激に上げない食事を摂ることが大切になってきます。


 

おまけに最初に生野菜を良く噛んで食べておけば、満腹感も得やすくなりますので、最初の生野菜はダイエットにとっても効果的なんです。


 

最初に生野菜を食べておくことで、酵素が消化を助けて代謝がアップし、細胞が入れかわる力や免疫力を上げるので、美容や健康・ダイエットの助けになる…というのが、「酵素が良い」と言われるメカニズムなんですね!


 

最近では「酵素はタンパク質だから、分解・消化されてしまうので食べても意味が無い」という意見もあるようですが、パイナップルやパパイヤの酵素がお肉を柔らかくするのは常識になってますよね?


 

確かに酵素のまま体の中に吸収されて、酵素として働く…というのはないと思いますが、少なくとも消化を助けてくれるということに関しては充分意味のあることだと思いますよ。

 

新鮮な野菜を選ぼう!

 

直売所,通販たくさんの酵素を摂ろうと思ったら、たくさんの酵素が含まれている野菜を選ぶ必要があります。その時に指標となるのが、野菜の新鮮さです。


 

野菜というのは、収穫した後も調理されるまでは生きていますので、土や水の栄養が無くなったあとは、自分の中にある栄養素を使って成長していきます。


 

にんじんの茎から新しい葉が伸びてきたり、カット白菜の真ん中が盛り上がってきたり…なんていうのを経験している人は多いんじゃないでしょうか?


 

野菜が持っているビタミンやミネラル・酵素などを、一番多い状態で摂るには採れたて野菜をすぐに食べるのが一番です。…とはいっても、自分で畑を持っていないとそれはちょっと難しいですよね。


 

それでもより新鮮な野菜が欲しい時は、農産物直売所で「朝採り」表示のある野菜を狙うか、収穫後すぐに配送してくれる通販野菜がオススメ。


 

普通のスーパーだと、収穫して市場にだして、そこから買い付けの人に渡って…という手順があるので、手元に来るまで時間が経っていることが多いですが、直売所や通販は市場に出す必要がないので、新鮮野菜が手に入りますよ!


 

栄養や酵素は野菜の皮の部分に多く含まれているので、できたら無農薬野菜を買って、良く洗って皮ごと食べると栄養も酵素もバッチリです。


 

市販の粉末青汁やスムージーのなかにも、原材料をよくチェックすると「無農薬・無化学肥料」の表示があるものもありますので、新鮮な生野菜と一緒に、ライフスタイルに合わせて『酵素生活』始めてみませんか?

 

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