息が臭い?!便秘で口臭が悪臭になるメカニズムをご紹介

あたしのベロは?

口臭の主な原因は2種類あり!便秘が原因のケースは少ないが・・

 

狭い個室で人と話している時や、起きてすぐの時なんかに「口臭大丈夫かな?」とか「息が臭いかも…」って不安になっちゃう事、よくありますよね。


思いすごしで、他の人には全然気にならない程度なら問題ありませんが、家族に「口が臭い!」なんて言われちゃったら超ショック…毎日気になって仕方ありません。


口臭を改善するためは、まず自分の口臭の原因が何かを知る必要があります。大きくわけると、口臭は『病的口臭』と呼ばれるものと『生理的口臭』と呼ばれるものの2種類があって、それぞれ対応策が違ってきます


病的口臭とは、名前の通り病気が原因になっている口臭の事で、虫歯歯周病蓄膿症糖尿病内臓の病気などが原因で起きている口臭です。病気が原因ですので、大元の病気治療と合わせて対策しなければなりません。


生理的口臭とは、生活習慣などが原因で起こる口臭で、誰にでも起こる可能性があります。食べたものや舌苔(ぜったい)口の乾燥歯磨き不足膿栓などが原因となっているものがこれに入ります。


病的口臭と生理的口臭のなかでも、特に多くの人の口臭の原因になっているものが次の二つです。

 

歯周病が原因


歯磨き粉や洗口剤のCMなどでお馴染みの「歯周病」とは、細菌が感染することで起こる炎症性の疾患で、30代以上の8割は歯周病にかかっている…とも言われています。


歯周病の初期は痛みもないので自覚するのが難しく、知らない間に少しずつ進行して、そのうち歯を磨いたりちょっとした刺激で出血するようになります。更に進行すると、歯茎からの出血に膿が混じるようになるので、口臭が酷くなってしまうのです。


歯周病の大きな原因は、歯と歯茎の境目が綺麗に出来ていないことで、境目に多くの細菌が溜まってしまうので、そこで炎症を起こします。


そのままにしていると『歯周ポケット』と呼ばれる、境目が深くなる状態になり、さらにそこが綺麗に出来ずに、今度は歯を支える骨が溶けて歯がグラグラしてきて、最後には抜くはめになる…という結構怖い病気です。


歯周病が原因の場合は、まず原因となっている歯周病の治療が必要となりますので、まずは歯医者さんでの診察が必要です。治療後は新しい歯周病が出来ないように、正しい歯の磨き方を教えてもらいましょう。


長寿大国になっている日本では、『8020運動』という「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動もありますので、口臭だけでなく、高齢になっても食事を楽しめるようにするためにも、歯周病対策は大切です。

 

舌苔が原因


舌苔(ぜったい)とは、舌に食べカスや細菌・粘膜のカスが付着して、白い苔のような状態になったもので、喫煙者では黄色くなったりもします。


舌はもともとザラザラしているので汚れや細菌が付きやすいのですが、ストレス消化器系の病気ドライマウスなどが原因で舌苔が酷くなってしまうことがあります。


ドライマウスとは、口呼吸をしていたり、唾液が減ってしまうことで起こる症状で、口の中を殺菌・抗菌・保湿・保護してくれる唾液が少なくなってしまうため、舌に汚れがたまりやすくなり、細菌が増えてしまいます。


ストレスの溜めすぎは良くない」というのは、もう耳にタコが出来るほど聞いているとは思いますが、たかがストレスされどストレス…口の中にも悪影響を与えています。


ストレスで自律神経のバランスが乱れれば唾液が減りますし、免疫力が低下すれば、口内細菌のバランスが崩れて悪い菌の増殖に繋がります。ストレスが胃腸にもダメージを与えることは、皆さんご存知の通りです。


舌苔が原因で口臭が起きているなら、それをこすり落とせば…と思う人もいるかもしれませんが、実は舌の磨き過ぎも舌苔を酷くする原因の一つです。

主婦,困った



舌の磨き過ぎは、舌の粘膜を傷つけてしまうので、細菌が繁殖して化膿する原因になります。「舌磨き」は一般的になりつつありますが、やりすぎも良くないんですね。


その他、喫煙者はニコチンやタールの影響に加えて、タバコの影響で免疫力が低下し、口の中も乾燥しやすいため舌苔が出来やすいと言われています。


舌苔が原因で起きる口臭は、口臭全体の70%以上にもなるという話ですので、口臭で悩む人が最初に疑うべき原因…といっても良いでしょう。

 

肉食が多い人は体臭や口臭がキツイ


「肉ばっかり食べていると臭いがキツクなる」という話を聞いた事がある人もいると思いますが、これは口の中が原因というわけではなく、「体の中から醸し出される臭い」というやつです。


お肉をたくさん食べる外国の方は、体臭がキツイために香水も強い香りのものが多い…というのも良く聞きますよね。実際ビックリするような香水を使っている人とすれ違うこともあります。


お肉というのは『動物性タンパク質』が豊富ですが、タンパク質が体内で分解されていく過程で「アンモニア」が発生します。アンモニアは体にとって有害な物質なので、肝臓の解毒作用で無害な「尿素」になり、腎臓で尿として排泄されます。


しかしお肉ばかり食べている…となると、肝臓や腎臓はたくさんのタンパク質を処理しなければなりませんので、働きづめの肝臓や腎臓は疲れてしまい、働きが落ちてしまいます。


すると分解しきれなかったアンモニアが血液の流れにのって全身を巡ることになり、汗や皮脂呼気などから外へと出るため、体臭や口臭がキツクなってしまうのです。


さらにお肉に含まれる「動物性脂質」を多くとると、皮脂の分泌が増えるため、酸化した皮脂が臭いの元になります。


おまけに動物性タンパク質は、腸内で悪玉菌のエサになるため、腸の中で悪臭の出る物質を発生させる原因にもなり、これが「便秘が原因の口臭」にも繋がってくるのです。

 

便秘が原因で口臭も臭くなる?その原因を探る

 

便秘というのは、便が出にくくなったり、腸の中に便が長時間留まっている状態のことで、毎日出ていても量が少なかったり、出てもスッキリしないような場合にも便秘とされます。


便秘の原因には病気が原因のものや、薬が原因で起こるものもありますが、ここでは現代人に多いとされている「肉食中心の生活で起こる便秘」のメカニズムと口臭の関係を見ていきましょう。

 

肉食生活が原因で腸の壁の筋肉が厚くなる

消化吸収に身体に負担がかかる肉類中心の食生活でどんな腸になるか・・

 

お肉が多い食事というのは、逆にいえば食物繊維の多い野菜や海藻・きのこ類が少ない食事ということです。


食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類あり、不溶性食物繊維は水を吸って膨らむ事で、便のカサを増やして腸を刺激し、水溶性食物繊維は水分を保ってゲル状になるので、便を軟らかくして出しやすくする…という働きがあります。


この2つの食物繊維が摂れていないということは、便のカサが減って便の量が少なくなり、水分量も減って便が硬くなってしまうということです。


便というのは老廃物の塊で、体にとっていらないモノですから、量が少ないといっても体の外に出さなければならないことに変わりはありません。そうなると、腸は硬くて少ない便を出すために、たくさん動く必要があります。


毎日毎日、少ない便を送り出すだめにたくさん動くわけですから、腸の筋肉はどんどん鍛えられて、腸の壁が厚くなっていくのです。ボディービルダーのマッチョな筋肉を想像してもらうと良いかもしれません。


硬くて大きい筋肉…でも良く考えてください。ボディービルダーの人は見せるための外の筋肉ですから、硬くて大きくても良いですが、腸の壁が厚くなるということは、内側が狭くなって腸も硬くなってしまうということなのです。

 

腸壁が厚くなると停滞便がたまり憩室という腸のポケットにたまる


腸壁が厚くなり内側が狭くなると、腸の内側の圧が上がります。すると、腸の筋肉が弱くなった場所に、その圧に耐えられなくなった腸の一部がポコッと外に飛び出して、袋状のポケットのようなものが出来ることがあります。これが憩室(けいしつ)です。


まれに先天性のものもありますが、こうして後から出来る物が多く、70歳を超えると2人に1人くらいは見つかる病気で、特に症状がない場合は治療の必要もありません


もともと若い日本人で憩室を持っている人は少なかったのですが、食事が欧米化して食物繊維が少なくなったために増え、10人に1人くらいは内視鏡やX線検査の時に偶然見つかることがあるそうです。


停滞便というのは、いわゆる「宿便」と呼ばれるもので、壁側にこびりつくように溜まってしまっている停滞便の場合、憩室に便が入り込んでしまうこともあります。


憩室はポケット状ですので、いったん便が入ってしまうと出にくく、詰まった便で炎症を起こしてしまう事もあります。そうなると腹痛や発熱・下血といった症状が出てしまい、酷い時には手術が必要です。


憩室は1個出来たらそれで終わり…というわけではなく、出来始めるとたくさん出来てしまうことの多い病気です。腸の内側にポコポコと憩室が出来てしまうと、少ない便はそれにひっかかり更に進みにくくなるため停滞便が増え、憩室に便が詰まる可能性も高くなります。


憩室に詰まってしまった便は、長時間体の外に出す事が出来ないため、腐敗が進み有害なガスや毒素を発生させるようになるので、これが口臭や体臭の原因になっていくのです。


消化されなかった食べ物が腐敗し毒素や悪臭ガスに


食べ物を消化して栄養にするためには、まず噛む事で唾液に含まれる消化酵素と混ぜ、胃に送って胃酸や消化酵素が含まれる胃液で消化・分解し、腸で消化・吸収する…という過程が必要です。


早食いで良く噛まない場合は唾液が不十分になり、内臓が弱っていれば食べ物を消化・分解するための酵素が十分に出せないために消化不良を起こします。


そうなるとすぐに吸収出来ないので、体の中に長く残ってしまうために腐敗してしまい、そこから毒素や悪臭のするガスが発生します。


こうして未消化の食べ物から発生した毒素やガスと、憩室や腸内の便から発生した毒素やガスは、体にも悪影響を与えるので早く体の外に出す必要がありますが、便秘の場合は出口が塞がっているのですぐに出す事が出来ません。


すると毒素や悪臭のするガスは、腸壁から体内に吸収されてしまい、血液に溶けて全身を巡ることになります。


それらが皮脂や汗と一緒に体の外に排出されれば「体臭」になり、呼気として体の外に出されれば「口臭」になってしまうのです。

 

肉食中心の食生活から野菜中心の食生活で口臭改善!


肉食中心の便秘からくる口臭の場合、いくら歯を磨いたとしても、舌を磨いたとしても、体の中から臭っているわけですから意味がありません。


体の中からガスや毒素を発生させている便などを外に出し、再び溜まらないようにしなければいけません。そして便が溜まりやすい憩室が出来にくいようにすることも必要です。


それにはまず、お肉を中心にしていた食事を野菜中心に変え、動物性タンパク質を減らして食物繊維を増やすことが大切になってきます。

 

食物繊維で腸内環境を良くし咀嚼の効果も◎


便秘を改善するためには、腸内環境の改善が欠かせません。腸内環境を良くするためには、腸内の善玉菌に元気になってもらう必要があるんですが、動物性タンパク質が腸内の悪玉菌のエサになったように、善玉菌のエサになる成分もあります。それが水溶性食物繊維です。


水溶性食物繊維は海藻やオクラなどのネバネバや、こんにゃく・ゴボウ・青汁の原料であるケールなどに多く含まれています。


便秘を改善するためには、便の量を増やしてくれる不溶性食物繊維ももちろん欠かせません。不溶性食物繊維は、多くの野菜や果物・豆類にも含まれています。


野菜に果物・海藻に豆類ですから、「昔ながらの食事が良い」とか「和食が健康に良い」と言われるわけがわかりますよね。食生活が豊かになったことで、健康に必要なものが意識しないと摂れないというのは、ちょっと寂しい感じもします…。


生野菜や大きく切ってある野菜、ゴボウなど歯ごたえのある野菜は、すぐに飲み込めないので自然と良く噛むようになりますが、これも口臭対策としては大切です。


良く咀嚼するということは、食べ物がより噛み砕かれるということですので、消化に良い形で胃や腸に送る事ができますし、良く噛むと唾液の分泌が促進されますので、食べ物が良く唾液と混ざり、口の中に食べカスが残りにくくもなります。


噛むだけならお肉だって…と思った人もいるかもしれませんが、日本人が大好きな脂の乗ったお肉は、そう噛まなくても食べられてしまうものが多いんです。よく芸能人さんが番組で「歯がいらない~!」とか「噛まずに溶けた」なんて言っているの、聞いた事ありますよね?

 

緑色野菜の葉緑素は口臭予防もできる

 

 

葉緑素は、植物に含まれている緑色の天然色素で、最近流行りの『クロロフィル』はこの葉緑素のことです。サプリメントとして売られているものが多いですが、もちろん野菜そのものにもちゃんと含まれています


葉緑素には強い消臭効果殺菌効果があることがわかっていて、口臭予防のサプリメントはもちろん、口臭除去の医薬品にも含まれている成分です。医薬品はサプリメントと違って効果を明示出来るものですから、その信頼度がわかると思います。


葉緑素はとても小さいため、腸の細かいヒダの間に入った便や有害物質も吸着してくれると言われていますので、腸を綺麗にする物質としても注目されています。

 

青汁飲んで体臭も口臭も撃退


野菜中心の食生活で、便秘が治って口臭も良くなる…というのがわかったとしても、今までお肉ばかり食べていた人が急に野菜中心というはちょっと敷居が高く感じてしまったり、忙しくて外食が多い人には難しいというのはあると思います。


スーパーでたくさんの野菜を買って、調理する手間も時間もかかりますし、買った野菜が全部腐る前に調理出来るのか?とか、色々な種類を買うとお値段もそれなりにするし日持ちもしないし…なんて考えているうちに面倒になって元に戻ったなんて話もよく聞きます。


そんな人に取り入れてもらいたいのが「青汁」です。市販の青汁なら水に溶かすだけなので、作る手間もかかりませんし、そう簡単に腐らないので買い置きもしておけます


野菜だけでは摂りにくい水溶性食物繊維は「難消化性デキストリン」や「ガラクトマンナン」などとして加えられているものもありますし、腸の善玉菌を元気にしてくれるもう一つの材料である「オリゴ糖」まで入っているものもあります。


もちろん主要な成分は「野菜の粉末」ですので、不溶性食物繊維も葉緑素もバッチリです!お手軽なのに、まさに至れり尽くせりといったところ。


いきなり野菜中心は難しいと感じる人は、まずいつもの食事に青汁を増やすことから始めてみるのはどうでしょう?食前に飲んでおけば豊富な食物繊維で血糖値の急上昇や食べすぎも防げますし、気づいたら便秘が改善して体臭も口臭もなくなっていた…なんてこともあるかもしれませんよ。

 

便秘以外の口臭の悩みは口臭外来へ

 

 

便秘が原因の口臭ならば、野菜中心の食事や青汁で良くなる可能性が高いですが、その他の問題ならば、やっぱり専門的なところで診てもらうのが一番です。


そんな口臭に悩む人のために最近増えているのが『口臭外来』です。口臭外来は普通の歯科や耳鼻咽喉科・内科と連携していることが多いですが、基本的に検査や治療は健康保険の適応外になりますので、ちょっと注意が必要です。


病院によって内容の前後などはありますが、基本的な診察の流れは

生活習慣などの調査票記入

問診・検査

結果説明・診断

カウンセリング・生活指導など

再診・再評価

という感じで、検査の内容としては

  • 尿検査…全身の病気のチェック
  • ハリメーター(口臭測定器)…代表的な口臭の原因とされる「揮発性硫黄化物」の測定
  • B/Bチェッカー(口臭ガス測定器)…口の中や呼気に含まれる可燃性ガスの測定。口の中・息・鼻のガスを個別に測定出来るので、どこが問題なのか特定出来る。
  • モイスチャー・チェッカー…舌の湿度や口の中の潤いを測定
  • インキュベーター…自分の口臭を再現
  • 口腔内や歯周病の検査

などが多く行われている検査になります。虫歯や歯周病などがある場合は、歯科治療になりますのでその検査には健康保険が使えますが、口臭の測定検査は保険適応外です。


検査を含めた初診にかかる時間の目安は2~3時間がほどんどですが、お値段になると3万円前後~7万円以上とかなり差がありました。


この他症状により、口腔ケア用品や口臭抑制剤が別途実費でかかりますし、何度か通う必要があり再診にも保険は適応外ですので、また2万~5万円前後かかる…という具合に、しっかり口臭外来にかかるとなると、相当額のお金を準備する必要があるようです。


ちなみに自分で凄く口臭がある気がしていても、測定の結果が基準値以下だった場合には、心療内科やカウンセリングを勧められたりすることもあります。


歯周病などで歯科治療になる場合・膿栓などで耳鼻咽喉科に通う場合・糖尿病などで内科に通う場合・不安神経症などで心療内科に通う場合などは、きちんと保険診療になりますので、そこは安心してくださいね!


酷い口臭というのは、自分だけでなく周りの人も不快にさせてしまう可能性があり、円満な人間関係にも影響してきてしまいます。


日頃から歯をきちんと磨く・唾液を出してドライマウスを防ぐ・ストレスを溜めない規則正しい生活をする・野菜を多く取り入れる…ということに気をつけて、『スメルハラスメント』と無縁の生活を送りましょう!

 

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